【新盆・盂蘭盆】

仏陀の第一弟子、目蓮尊者がある日ふと、亡くなった母はどうしているだろうかと得意の神通力であの世を覗いてみたところ、なんと母は餓鬼道に落ちてしまっていたのです。苦しむ母になにか食べ物をと捧げましたが、口元まで来た途端燃え上がって食べることができず、母の痛ましい姿に嘆き悲しみました。目蓮尊者は仏陀に救いを求めたところ「お前にとっては良き母であったろうが、わが子愛しさのあまり貪欲にかられ、餓鬼の地に堕ちてしまったのだよ。7月15日には厳しい修行を終えた僧達が帰ってくる。その者たちに百味の飲食を供えて供養なさい。僧達は先祖や餓鬼道で苦しむ者達のために供養してくれるであろう。そうすればその功徳によって、お前の母や餓鬼道で苦しむ者達が救われるだろう。」
こうして餓鬼道から母や多くの人を救った目蓮尊者の功徳が仏説盂蘭盆経に書かれています。これが盆の起源とされ、故人やあらゆる精霊の供養をする行事となりました。
とくに当地方では新盆を『あらぼん』として精霊供養を行っています。

【新盆供養の準備】

新盆は8月14日に供養を行います。
【仏壇・祭壇】
●仏壇・祭壇は13日から16日までお祀りください。
●祭壇または仏壇にお位牌をお祀りし、お霊供膳、果物、菓子、そうめんなどをお供えします。
●盆提灯はこのあたりの習慣ではございません。

【施餓鬼棚】
●施餓鬼棚は13日夕方から16日朝までお供えください。
●施餓鬼棚を右図のように玄関外に作ります。棚には 食べ物(おもりこやご飯など)、飲み物(水、お茶等)をお供えください。お線香、ロウソクは不要です。

【迎え火】
●墓地で迎え火をたく際、生竹を燃やして鳴らします。
●108束の迎え火をたきます。(ワラで2本の木片を結んだものを108束作ります。ご家族で作られるのが一番良いとは思いますが難しいようでしたらお仏壇屋さんでも取り扱われているようです。)
●迎え火も本来ですと14日の日暮れに行うものですが、ご家族、ご親族が多くお集まりになるときに行われるとよろしいでしょう。
●当地では新盆の翌年の8月24日(地蔵盆)に送り火が行われています。

施餓鬼棚全体図(写真左)、棚アップ(写真右)

 

108束と竹(写真左)、ワラを編んだもの(写真右)